こんばんは、ひのまるキッズの原です。
ひのまるキッズでは、五つの心にひのまるキッズ代表の永瀬がひのまるキッズを立ち上げ、これまで続けてきた過程で、多くの困難や障害が立ち塞がった時、常に心に留めていた言葉、「いまから、ここからという不屈の心」を一つ追加して、ひのまるキッズ六訓とさせていただきました。
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いまから、こころからという言葉については、その想いを含めて改めて代表からご紹介させていただくとして、今回は、ありがとうという感謝の心について、書かせていただきます。
私がもう5年ほど前に友人から見せてもらった友人の会社の社員向けの講演ビデオのことです。
その講演の演者は、近畿のある有名塾の代表の方の話で、講演の内容は、どうやって子ども達を有名校に、はいれるような教育を施したかというものでした。
簡単に概要をお伝えすると、
子ども達に一番にそして常々伝えているのが、親への感謝ということです。
なぜなら、最初は希望校があったり、将来の夢を持って入塾してくる子どもも多く、何も言わずに黙々と与えられた課題をやろうとするそうです。でも、徐々に壁にぶち当たったたり、モチベーションが続かずに、目標の点数を取れなくなって、最終的には希望校に入れてやれない子が出てきてしまう。もちろん、状況に応じた目標設定はするものの、一度下がってしまった気持ちを奮い立たせるのは困難を極めます。
そんな子ども達のやる気スイッチをONの状態に保つ方法として、たどり着いた答えが、親への感謝の気持ちを持たせ、親の期待に応えたいと認識させることだと言うものでした。
このビデオをみて、私が子ども時代、父親の呑み仲間がいつも家に飲みに来ていて、酔っ払っちゃあ、お前のお父さんは偉いとか、お母さんは凄いとか言って褒めてくれていたのを子どもながらに嬉しかったことを思い出しました。
そして、ひのまるキッズでも、引き続き、親子の絆についての講話を継続していかなければと改めて感じております。
なぜなら、親御さん自身では伝えられないことを第三者が伝えなければと感じているからです。
最後に、今回、この塾の話を思い出したメルマガを紹介します。
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「熊本の名校長・最後の授業」 大畑誠也(九州ルーテル学院大学客員教授)
私が考える教育の究極の目的は「親に感謝、親を大切にする」です。
高校生の多くはいままで自分一人の力で生きてきたように思っている。
親が苦労して育ててくれたことを知らないんです。
これは天草東高時代から継続して行ったことですが、このことを教えるのに一番ふさわしい機会として、私は卒業式の日を選びました。
式の後、三年生と保護者を全員視聴覚室に集めて、私が最後の授業をするんです。
そのためにはまず形から整えなくちゃいかんということで、後ろに立っている保護者を生徒の席に座らせ、生徒をその横に正座させる。
そして全員に目を瞑らせてからこう話を切り出します。
「いままで、お父さん、お母さんにいろんなことをしてもらったり、心配をかけたりしただろう。
それを思い出してみろ。
交通事故に遭って入院した者もいれば、親子喧嘩をしたり、こんな飯は食えんとお母さんの弁当に文句を言った者もおる……」
そういう話をしているうちに涙を流す者が出てきます。
「おまえたちを高校へ行かせるために、ご両親は一所懸命働いて、その金ばたくさん使いなさったぞ。
そういうことを考えたことがあったか。
学校の先生にお世話になりましたと言う前に、まず親に感謝しろ」
そして
「心の底から親に迷惑を掛けた、苦労を掛けたと思う者は、いま、お父さんお母さんが隣におられるから、その手ば握ってみろ」
と言うわけです。
すると一人、二人と繋いでいって、最後には全員が手を繋ぐ。
私はそれを確認した上で、こう声を張り上げます。
「その手がねぇ!
十八年間おまえたちを育ててきた手だ。
分かるか。
……親の手をね、
これまで握ったことがあったか?
おまえたちが生まれた頃は、柔らかい手をしておられた。
いま、ゴツゴツとした手をしておられるのは、
おまえたちを育てるために
大変な苦労してこられたからたい。
それを忘れるな」
その上でさらに
「十八年間振り返って、
親に本当にすまんかった、
心から感謝すると思う者は、
いま一度強く手を握れ」
と言うと、あちこちから嗚咽が聞こえてくる。
私は
「よし、目を開けろ。分かったや?
私が教えたかったのはここたい。
親に感謝、親を大切にする授業、終わり」
と言って部屋を出ていく。
振り返ると親と子が抱き合って涙を流しているんです。
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『致知』2011年1月号
特集「盛衰の原理」より