いまから、ここから、ひのまる社長の独り言(その158:中大魂③・合計1000歳超の絆)

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夏の3日連休真っ只中!皆さん、海へ山へ、そして道場へ楽しんでいることと思います。

私は・・、

わが柔道部師範の岡野功先生が来られるということと、柔道部常任理事会もあり中大道場に朝から伺っていました。

常任理事会が終わり、13時からの稽古の準備を学生がしだした頃、

続々と現れたのが(失礼)

岡野師範の前後のOBたち・・・。

その数、15名。全員のご年齢を足すと、な、な、なんと1000歳は超えていました!!!

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用意していたパイプ椅子が足りなく、もちろん私を含めたそれ以下の年齢のOBは座る暇もなく先輩方のお世話に奔走していました(笑)

さて、稽古が始まり、柔軟が終了したあたりで、岡野師範より

「せっかくだから、自己紹介でもお願いします」

の一言。

自分たちが現役の時に今の私の年齢だった先輩たちのお言葉を興味津々に聞き入っていましたが、とにかく奥が深い・・・。

内容はここでは書ききれませんが、一番心に響いたのは、最も多かった昭和37年卒業(ちなみに私が生まれた年)の代の主将だった先輩のお言葉でした。

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「私たちみたいな老人が君たちにとやかく言えることはない。ですが、ここにいる同期たちとは卒業後今までず~とつながっています。たぶん、それは普通に中央大学にいっていたらないことでしょう。柔道部で過ごした4年間があってこそこの絆があるんです。君たちもそれを心に刻んでおいてください。君たちの宝はこの『絆』なんです」

まさに、心の底からしみわたる言霊に、学生たちの目つきは今までとは違っていたと思ったのは私だけではないでしょう。

学生時代を入れたら50年以上続いている『絆』。

まさしく、これが中大魂の根源。

用事があって中座をしてしまいましたが、その日の稽古はいつも以上に熱かったに違いありません!!

いまから、ここから、何も言えなくて夏!全員未だ青春真っただ中です!!

永瀬義規

 

いまから、ここから、ひのまる社長の独り言(その157:選挙行きましたか? 義務と権利を考える・・)

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投票権を持っている皆さん、選挙行きましたか??

私は、今日の投票時間終了ギリギリですべりこみました。

正直、大変お恥ずかしい話、ついこの前まで選挙に参加。。していないほうが多かったような気がします。

でも、会社を興し様々なことを考えるようになって、遅まきながら国民の義務は果たすべきと選挙に参加しています。

それでは、義務って何でしょうか??

簡単に言えば『~ねばならないこと』でしょうか??

そして、その対として出てくる言葉が・・

権利です。

では、権利とは何でしょうか?『~できること』 ??

 

私が経営者になって常に考えていること心がけていること、それは

黒字経営と社員の生活

です。正直、これが8年間で得た結果です。良いか悪いかわかりませんが、自分の幸せは

会社がちゃんと続いて、社員が家族と幸せになっていることだと心の底から思っています。

なので、権利は『会社経営上の最終決定ができる』ことであり、義務は先ほど述べた『会社を黒字にし、社員に約束した給料を支払らわなければならない』ことだと思っています。

ならば・・社員の権利と義務は何でしょうか?

義務については『事業を計画通りに遂行しなければならない』って常に言っています。

では、社員の権利ってなんでしょう? 権利『できること』なら権限とでも言える部分も多いと思います。さて、何でしょう? よく権利を自由と同じように解釈されることもあるようですが、仕事上、自由と権利が全く同じとなったらいったいどうなるのでしょうか??私はとんでもないことになると思います。でも、権限を持たないと義務は果たせないとも思っています。

今、テレビを見ていて投票しない理由に「別に私一人が行っても何も変わらないから・・」という答えが多いです。一昔前の自分もそれに近い考えだったような気もします。

でも、もし選挙に行かなければ罰金となったらどうでしょう?投票率は増えるでしょうね。

そうならない理由は、簡単です。それは社会のルールであり、『当たり前のこと』だからです。そして、この『当たり前のこと』がなされなかったらどうなるでしょうか?

それは、今の自分ではなく、未来の自分やその家族に大きな影響が降りかかるということなんでしょうね。選挙に行かない自由は、未来の自分や家族の生活を守るという責任がべったりついてきているんです。

最後に、会社で義務を果たせなかったらどうなるでしょうか。下記、調べたらこう書いてありました。

義務を果たす、責任を果たす上で、辞めるという選択以外の方法

  1. 一つは「役割を果たすことができなかった」結果、トラブルがまだ解決されていないのであればば、あらゆる手段を使ってそのトラブルシューティングを全力で行う責任(労働時間外、深夜、日曜出勤をしてでも)
  2. 2つめは、そのトラブルの原因をしっかり探り、抜本策を考え、その遂行を行うことで、2度と同じ問題を引き起こさない責任
  3. 3つめは、きちんと詫びを入れて、迷惑をかけている相手に誠意を見せる責任

目的をしっかり持ち、目標を掲げ、そしてそれを達成するため己の責任を果たす。できなかったらできなかった時の責任を果たす。最終権限を持つ経営者としての義務、それは

『責任を果たす背中を見せ続ける』

ことだと今一度心に刻んでいます。

いまから、ここから、私はあきらめない。

永瀬 義規

リオ五輪の組み合わせはどうなる? 五輪前最終のワールドランキング発表

ベイカー茉秋

先週末に行なわれたワールドマスターズ。
日本からは男子7人、女子5人が出場し、
男子73kg級の橋本壮一選手、90kg級のベイカー茉秋選手、
女子48㎏級の近藤亜美選手、52kg級の中村美里選手、
63kg級の田代未来選手が見事優勝を果たしました。
私的には、ベイカー選手の戦いぶりにしびれました。
とりわけ、決勝の気迫と執念は、感涙ものでした。
試合映像は、IJFのフェイスブックで観ることができますので、
ご覧になってない方は、ぜひ見てみてください。

というわけで、オリンピック前のビッグイベントも終わり、
昨日、五輪前の最終的なワールドランキングが発表されました。
ざっくり言うと、このランキングで男子は22位以内、
女子は14位以内に入っていれば、
オリンピック出場権が得られるということで、まずは、
日本は全階級出場できることが確定しました。

各階級の順位に関してはIJF(国際柔道連盟)の
ホームページでご覧いただけますが、
http://www.judobase.org/#/wrl/1/simple

リオ五輪に出場する日本代表は、
60kg級 髙藤選手 6位
66㎏級 海老沼選手 7位
73㎏級 大野選手 6位
81㎏級 永瀬選手 2位
90kg級 ベイカー選手 1位
100kg級 羽賀選手 7位
100㎏超級 原沢選手 2位

48㎏級 近藤選手 3位
52㎏級 中村選手 3位
57㎏級 松本選手 5位
63㎏級 田代選手 3位
70kg級 田知本選手 12位
78㎏級 梅木選手 9位
78㎏超級 山部選手 4位

78㎏級は梅木選手の上位に、オランダの選手が2名入っていて、
繰り上がりで8位。ギリギリシードされるため、
70kg級の田知本選手以外は、全員がシードされることになりました。

柔道のワールドランキングは、選手毎に出場している大会数が違うため、
テニスなどと違い、必ずしも「順位=実力」ではありません。
とはいえ、上位にいる選手は、多くの大会で優勝、入賞実績を持つわけで、
やはり実力者であることに変わりはありません。
なかでもベスト8に入ってきている選手は、
全員がメダルの可能性の高い選手と言っていいと思います。
それは日本人でも、外国人でも同様です。

強豪との対戦はできるだけ避ける、あるいは
後回しにするという点で、シードされることはメダル獲得への第一関門。
まずは、ほとんどの選手がそれを突破したので、
少しメダルに近付いたと言えるかもしれません。

とはいえ、準々決勝くらいまで安泰かというと、
決してそんなことはありません。
オリンピックに出場できる選手は、
世界の上位20数人(女子は14~15人)ほどの、
本当のトップクラスの選手だけですから、
どの階級も初戦から気の抜ける試合はないと思います。

たとえば、男子の100kg級は、昨年世界王者に輝いた羽賀選手でも、
ランキング的には7位。
この階級はベスト8どころか、ベスト16くらいの選手でも
金メダル獲得の可能性があると言われるほど実力が伯仲しています。

オリンピックの度に「お家芸」と言われて注目され、
「金メダル」が期待される柔道ですが、
ロンドンオリンピックで、男子金メダル「0」、
女子も松本薫選手の1個だけだったように、
いまや世界のレベルは非常に高く、
メダルさえも簡単に獲れないのが現実です。

それでも、日本代表全選手が目指すのは、金メダル!
そして、全選手が金メダルを獲れる実力を持っていると思います。 

リオ五輪まで約2カ月。 頑張れ! 日本代表

スポーツひのまるキッズ事務局スタッフ兼
柔道記者 林 毅

今日からオリンピック前哨戦、ワールドマスターズが始まります。

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オリンピック、世界選手権に次ぐビックゲーム、
ワールドマスターズが今日から3日間の日程で始まります。

開催場所がメキシコ(第二の都市グアダラハラ)なので、
時差(-14時間)があるため、日本では27日24時が大会スタートの時間。
なので、ほぼ明日(28日)のスタートですが…。

この「ワールドマスターズ」がどんな大会かと言うと、
簡単に言うと、各階級の世界ベスト16の、
トップ選手だけが出場して優勝を競う大会で、
優勝で獲得するポイントも、オリンピックの1000点、
世界選手権の900点に次ぐ、なんと700点。
ちなみに、グランドスラムは500点、グランプリは300点で、
獲得ポイントを考えても、ビックタイトルと言っていいでしょう。

とはいえ、オリンピックを2カ月後に控えたこの時期にやらなくてもいいのに…
と思うのは私だけではないでしょう。
こんな時期にやっても、主力選手は出場しないだろうと
思っている方もたくさんいるかと思います。
でも、実は、オリンピックの組み合わせに、
IJFワールドランキング(獲得ポイント)が大きく影響するため、
オリンピック本番で、できるだけいい組み合わせになるよう、
ここで頑張っておかないといけない人もたくさんいるわけです。

たとえば100㎏超級は、絶対王者と言われるリネールが、
現在3500点を獲得していてダントツのトップで、
原沢選手は2300点で2位。
3位と4位の選手がそれぞれ1978点、1862点をもっているため、
もし4位の選手が優勝すれば2562点、3位の選手が準優勝すれば2398点になり、
もし原沢選手が出場しなければ、
2人の選手が原沢選手より上位になってしまいます。
すると、オリンピック本番の組み合わせは、
リネールと原沢選手が準決勝であたることになってしまうというわけです。
もちろん、オリンピックでは原沢選手がリネールに勝つと信じてはいますが、
できるだけ対戦はあとのほうがいいのは当たり前で、
準決勝で戦うより決勝でと、そうするためにも、
今大会に出場しなくてはならないというわけです。
(実は、今大会に出場するだけで、ランキング2位か3位で
オリンピックに出場することが確定します)
ちなみに、リネールはおそらく今大会には出場しません。

他の階級でも同様の駆け引きが行なわれています。
オリンピックではベスト8までがシードされますから、
より良い組み合わせで本番を迎えるためにも、重要な大会なわけです。

日本からはオリンピック代表の
原沢久喜選手、ベイカー茉秋選手、髙藤直寿選手、
山部佳苗選手、田代未来選手、松本薫選手、中村美里選手、
近藤亜美選手のほか、高上智史選手、橋本壮一選手が出場します。

梅木真美選手、田知本遥選手は当初出場予定でしたが、
ケガのため出場を回避しました。
原沢選手は、全日本選手権後にギックリ腰になってしまったそうですが、
だいぶ良くなったということで出場することとなりました。
あまり無理をせずに、頑張ってほしいと思います。

そもそも現在の各階級のベスト16の選手の闘いですから、
レベルが高いのは当たり前。それに、出場してくる以上は、
それぞれの選手がオリンピックでの優位性を求めてくるわけですから、
オリンピック本番さながらの、シ烈な争いが予想されます。

今大会は、IJFワールドランキングを照らし合わせ、
オリンピックの組み合わせはどうなるのか、
そんな予想をしながら観ても面白いかもしれませんね。

参考までに、IJFワールドランキングリストはこちら↓
http://www.intjudo.eu/upload/2016_05/16/146336701663722659/ijf_sen_wrl_2016_05_16.pdf
ガンバレ! 日本代表!!

(写真は、原沢選手。日本代表の皆さんケガのないよう頑張って!)
ひのまるキッズ事務局 林 毅

リオ五輪まで約2ヵ月! 『観戦ガイド』作っています。

今年の8月5日から21日まで、ブラジルの
リオデジャネイロで開催されるオリンピック。
さまざまな競技で、続々と代表選手が決まってきています。

女子バレーボールは最終予選の真最中。
韓国に敗れ、タイ戦でも絶太絶命の大ピンチまで追い詰められましたが、
なんとか逆転勝利で五輪出場に大きく一歩前進したようです。
残るはドミニカ、イタリア、オランダ戦ですが、
今日、ドミニカに勝てば、出場枠の4位がほぼ確定するようです。
なんとか頑張ってほしいと思います。

昨日も、トライアスロンの代表選手、
男子1名と女子3名が発表になりましたが、
現時点で約150人と6チームが代表に決まっています。
(6チームは、サッカー男子、バスケット女子、ホッケー女子、
7人制ラグビーの男女と水球男子)

開催まで80日を切り、徐々に、
少~しずつ気運が高まっていきているような気がします。

実は、私自身は今回が通算4回目となる
オリンピック観戦ガイドの制作にかかっており、
今週はライターさんやデザイナーさんとの打合せ、
さらに、広告の営業と大わらわ。
関わってくださる皆さんと打合せを重ね、
ムクムクと「やる気」と「緊張感」が高まってきています。

6月には全日本柔道の合宿取材にも行きますが、
柔道の情報に関して他誌よりも充実したものになるのは当然!
柔道以外に関しても、それぞれの競技に精通したライター陣に
原稿を依頼しておりますので、
相当充実したものができると確信しています。
オリンピックが「より面白く」見られる観戦ガイドを
作りたいと思いますので、もうしばらくお待ちください。

発売日は、7月28日。
発行元は、角川春樹事務所です。
乞うご期待!

あるときは柔道記者、あるときは編集者の
ひのまるキッズ事務局 林 毅

子どもの日の感動

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世間一般で言う「GWらしい過ごし方」をほぼすることなく
GWが終わってしまい、とくにGWロス的な気持ちのないまま
日常に戻っていますが、皆さんはいかがですか?

私が今年のGWで唯一、GWらしい過ごし方をしたのが、
子どもの日の全国少年柔道大会「観戦」でした。

「取材」では何度も行っている全国少年柔道大会。
現在、全日本男子監督を務める井上康生さんに、
初めて話を聞いたのもこの全国少年柔道大会でした。
たしか27年前の1989年、井上監督は小学5年生。
当時行なわれていた個人戦で優勝した井上少年の強さは、
まさに衝撃的なものでした。
試合後、「夢はオリンピックで金メダル」と言っていた井上少年は、
実際に金メダリストになり、いまや全日本の監督。
そう考えると、歳をとったなぁと痛感します。

昔の取材の話はさておき、今回はあくまで「観戦」。
以前に、ひのまるキッズでご招待させていただいた
大船渡の道場が出場するということで、
子どもたちに会いたいと思って来たのでした。

通い慣れた講道館。
考えてみると、8階の観覧席から試合を観たことは、
いままでほとんどありませんでした。
いつものように下(7階)で観るのでなく、
8階の観覧席(実際には立ち見)からの観戦というのも、
私にとってはとても新鮮で、
親御さんらと同じような気持ちになって観戦しました。

観覧席から観ていると、というより観覧席にいると、
当然ですが、お父さんやお母さんの生の声も聞こえてきます。
子どもたちの頑張っている姿を見て、
勝ち負けに関係なく涙するお母さん。
我が子の一挙手一投足に、一喜一憂しながら
大声で声援を送るお母さん。
胸の前で手を組み、心配そうに見つめるお母さん。

つい習慣で、そんなお母さんの一人に話を聞くと、
「予選リーグで負けちゃったけど、よく頑張っていました。
最初で最後かもしれないけど、全国に出られたというのは、
本当にいい思い出。子どもたちを褒めてあげたいです」
と、とても優しい表情で答えてくれました。

全国大会は不要という声もありますが、
「全国大会出場」という大きな目標を掲げ、
親子や友だちと、その目標に向かって努力することで、
子どもたちも、そして親御さんたちも
成長しているのではないかと思います。
やり過ぎによる弊害があることも確かですが、
今回、観覧席で観戦して感じたことは、
そういったマイナス要素よりプラス要素。
親子、仲間たちと頑張る姿の尊さです。
これは、指導者の努力によるところも大きいと思います。

試合が終わり、観覧席に戻ってきた我が子を笑顔で迎え、
頭をなで、抱きしめるお父さんお母さんの姿には、
ちょっと目頭が熱くなりました。

講道館を出るときは、
いつになくとても清々しい気分だったので、
そのまま神保町まで歩き、
前から気になっていた、
新潟名物の『タレかつ丼』を食べて帰りました。

というわけで、とてもいい1日でした。

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スポーツひのまるキッズ事務局
柔道記者でもある 林 毅

感動の全日本選手権。王子谷選手の闘いぶりにしびれた!

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ゴールデンウィークまっただ中、
皆さん楽しんでいますか?

今日は、こどもの日。
大学生の次女は、今日も1限から授業があるということで、
早々に行ってしまいました。
子供も20歳を超えると、
親父のことなんか相手にしてくれません。
寂しいものです…… (T_T)

さて、今さらではありますが、
4月29日の全日本選手権はご覧になりましたか?
今年も非常にいい試合の連続で、ホント、興奮しました。

そして、今年も「予想通り」にはいきませんでしたね。
大会プログラムを制作していることは
先日のブログでも書きましたが、
プログラム内で行なっている、識者による
「決勝進出者及び優勝者予想」。
私が記憶している限り、昨年まで7年以上
当たっていませんでした。
でも、今年の決勝予想「七戸vs原沢」で「原沢優勝」は、
かなり「堅い」と思っていただけに、
今大会の予想外の結果には、
改めて、全日本選手権で勝つことの難しさを痛感しました。

そんな予想はさておき、
2度目の王者となった王子谷選手の闘いぶりには、
正直、しびれました!

王子谷選手は、一昨年優勝してから、
全日本チャンピンのプレッシャーからか、
思うような闘いができなくなってしまい、
ここ一番の試合で勝てない日が続いていました。
大会の2週間前にインタビューしたときも、
まだ、立ち直っていない様子で、
会話にも元気が感じられませんでした。

それが、いざ本番では、持ち前の思い切りの良さが完全復活。
七戸選手との準決勝では大外刈、大外巻込を連発、
さらに上川選手との決勝でも、大外刈、支釣込足で完勝、
場内は大興奮でした。

なにより見ていて感動したのは、決勝・上川選手との攻防。
大外返を得意とする上川選手に対し、
王子谷選手は臆することなく大外刈で勝負を挑み、
1分15秒、豪快な大外刈で「技あり」を奪取。
上川選手の状態を見ても、あとは無理をせず、
時間を費やせば王子谷選手の優勝だなと、
思われたのでしたが、王子谷選手は、
その後も攻撃の手を緩めず、
返しを狙う上川選手に対し、
これでもかというくらい大外刈を連発。
守る気など一切なく、とにかく「一本」を狙って
攻め続ける王子谷選手の気魄は、
まさに「全日本王者」のものでした。

そして、準決勝の原沢選手との戦いで完全ガス欠になりながら、
最後まで必死の反撃を見せた上川選手の健闘にも
心打たれました。

ここ数年、重量級選手の充実とともに、
全日本選手権が本当に素晴らしい大会になってきていると思います。
加えて今大会では、制野兄弟、垣原選手、河原選手ら、
中量級選手の闘いぶりも
大会をより面白いものにしてくれました。

来年の話はまだ早いのですが、
今年のリオ五輪で金メダルを獲り、
73㎏級の大野選手や、81㎏級の永瀬選手、
100kg級の羽賀選手が全日本選手権に出場してくれれば、
来年はまさにドリームマッチ!
実現してほしいなぁ。

王子谷選手、おめでとう!

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ひのまるキッズ事務局
柔道記者でもある 林 毅

いよいよ明日、今年の柔道日本一&リオ五輪最後の代表が決定!

全日本(ブログ用)

明日からゴールデンウィーク。
暦通りだと、飛び石ですが、2日、6日を休んで、
10連休なんて人もたくさんいるんでしょうね。
ぜひお休みを満喫してください。

さて、柔道関係者・柔道愛好家にとっては、
おそらくゴールデンウィークは“柔道三昧”なのではないでしょうか。
今日、28日はその口火を切る高段者大会、
そして明日29日は、“血湧き肉躍る”全日本選手権。
さらに、5月4日、5日は、全国少年大会。
休んでいる暇はありませんね(笑)。

ひと昔前には、これに国際高校選手権なんて大会もあって、
柔道専門誌の編集者時代は、締め切りも重なって、
地獄のゴールデンウィークだったことを思い出します。

そんなことはさておき、
今年のゴールデンウィーク、私のメインイベントは、
もちろん、全日本選手権です。

今年も、大会プログラムを制作させていただいたこともあり、
すでに、頭のなかは、すっかり全日本選手権モード。
トーナメント表、大会の見どころなどはすでに、
頭のなかにほぼ織り込み済み。
(最近、脳の劣化が激しく、忘れるスピードも速いのですが…)
あとは本番を待つばかりです。

大会公式サイトはこちら
http://kodokanjudoinstitute.org/tournament/archives/2016/
http://www.judo.or.jp/p/37669

ちなみに、プログラムでは今年も、有力選手5人、
・昨年優勝の原沢久喜選手
・準優勝の七戸龍選手
・一昨年優勝の王子谷剛志選手
・準優勝の上川大樹選手
・二年連続3位の西潟健太選手
の直前(約2週間前)インタビューを掲載しています。

実際に5人にお話をうかがった私の優勝者予想は…、
ナイショにしておきますが、参考までに、
話を聞いた印象を少し書いておきましょう。

★原沢選手……心技体、すべてが充実している印象。
気負いもなく、優勝に一番近いのかなぁ…。

★七戸選手……静かな語り口調のなかに、
「逆転」優勝への強い思いが。
七戸選手の可能性もあるな…。

★王子谷選手……このところ不調ながら、
自分の現状をきちんと分析・把握しており、復活の兆しも。
もしかしたら…。

★上川選手……オリンピック代表の可能性がないことから、
ノープレッシャーで戦える。
こんな時の上川選手はヤバそう…。

★西潟選手……上川選手同様、ノープレッシャー。
苦手の上川選手を破ったら、準決勝は初対決!の原沢選手。
勝てば相性のいい七戸選手、まさか…。

選手たちの話を聞けば聞くほど、
この選手の優勝の可能性もあるなぁ…と、
予想が難しくなってしまったというのが本音です。

リオデジャネイロ五輪の100㎏超級代表の座もかかった
今年の全日本選手権。
五輪代表の有力候補である原沢選手と七戸選手が勝ち上がり、
決勝で雌雄を決することになるのか、それとも、
他の選手が意地を見せ、「日本一」の座を奪い取ることになるのか。
例年にもまして、熱いあつ~い闘いとなりそうです。

東京近郊の方は、ぜひ日本武道館に!
遠くの方は、テレビでお楽しみください!
NHK 総合テレビ 16:00~17:30(予定)
NHK BS1 13:00~15:50(予定)

なんか、早くもドキドキしてきました!

ひのまるキッズ事務局
柔道記者でもある 林 毅

今週末、オリンピック代表がついに決定! サクラサクのは果たして…?

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今週末(4/2~4/3)、福岡で行なわれる選抜体重別で、
ついに、リオデジャネイロオリンピックの代表が決定します。
(男子100㎏超級は全日本選手権、女子78㎏超級は皇后盃 後に決定)

最近の国内外の大会の実績、
IJFワールドランキング等から、
ほぼ確定していると言っていい階級もありますが、
それでも、選抜体重別の結果・内容次第で
どうなるかわからないという階級がほぼ半分。
この選抜体重別の結果・内容次第と思われる階級は、
とくにシ烈な争いになるのではないかと思われます。

私が、とくに注目しているのは
男子60kg級、66㎏級、73㎏級、90kg級、
女子48㎏級、70kg級。

オリンピックに出場するためには、IJFワールドランキングで
男子は22位、女子は14位以内にいないといけないという規定もあり、
それぞれの階級のオリンピック代表に関しては、
下に挙げた選手にほぼ絞られていると言っていいと思います。

60kg級:本命・髙藤直寿(WR2位)、対抗・志々目徹(WR8位)
66㎏級:本命・海老沼匡(WR7位)、対抗・高上智史(WR5位)、
73㎏級:本命・大野将平(WR7位)、対抗・秋本啓之(WR5位)、中矢力(WR8位)
90kg級:本命・ベイカー茉秋(WR4位)、対抗・西山大希(WR11位)

女子48㎏級:近藤亜美(WR6位)、浅見八瑠奈(WR9位)
女子70kg級:新井千鶴(WR7位)、田知本遥(WR11位)
※WRは3/27現在のIJFワールドランキング

毎回、選抜体重別のあとの五輪代表選考に関して、
大会で勝った選手が選ばれなかったときに、
マスコミなどから、選考基準が不透明という批判をされていますが、
選抜体重別の結果だけで決まるわけではないため、
長年、代表発表の場を見てきたり、
決定した経緯を見てきた柔道専門の記者としては、
決して、それほど不透明なことはないと思かったと思っています。
たしかに、過去にいくつかは、
「それはおかしい!」という代表選考もありましたが、
それにしても、利己的、政治的な選考というわけではなく、
「金メダルに一番近い選手」という基準で、
強化委員の方々が真剣に考えた結果だったと信じています。

今回も、昨年に引き続き、
代表選考の過程を「ガラス張り」に、ということで、
選考会議は、マスコミ公開の上で行なわれるそうです。
こういう取り組みは素晴らしいと思いますし、
世間も関係者も、たとえ思い通りでない不本意な結果であったとしても、
ある程度は納得できるのではないかと思います。

ただ、柔道はタイムレースではありませんから、
競泳や陸上のように記録で順位をつけることはできません。
ワールドランキングにしても、ひとつの基準にはなりますが、
上位10位以内くらいの差は、出場した大会、
その大会に出場していた選手の顔ぶれなどを見ていくと、
絶対的な差とは言えないのが現実です。

でも、そんな中で、代表は決めなくてはいけません。
しかも、オリンピックの代表は、各階級たった一人!

代表争いの当落線上にいる選手の皆さんも、
そうでない選手の皆さんも、最後の最後まで、自分を信じて
悔いの残らないような試合をしてほしいと思います。

かなりこじつけになりますが、
写真は、一昨日の千鳥ヶ淵の、ほぼ満開の桜です。
果たして「サクラサク」のは?

ひのまるキッズ事務局 林 毅

高校選手権で感動――「仲間との絆」で刻んだ新しい歴史の1ページ

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先週の土日は、日本武道館に
高校選手権の取材に行っていました。
男子は、昨年の高校三冠メンバーを3人残し、
大本命と言われた国士舘高校が決勝でまさかの敗退。
日体荏原高校が初優勝を果たしたのでした。

この日の日体荏原は、一人ひとりが
本当によく活躍していました。

2回戦の静岡学園戦では先鋒の百々雄弥君が4人抜き、
続く3回戦の津幡戦と、4回戦の天理戦では
次鋒・長井晃志君が2試合連続3人抜き。
準決勝の木更津総合戦では、先鋒の大吉賢君が4人抜きと、
試合毎に入れ替わりのヒーローが誕生。

準決勝の木更津総合戦に関して言えば、
73㎏の大吉君が、145kgの先鋒、110kgの次鋒、128㎏の副将に
いずれも裏投げで一本勝ちという、驚愕・圧巻の戦いぶりでした。
勢いに乗ったら手がつけられないというのは、
まさに、こんな状況を言うのでしょう。

決勝の“難攻不落”と思われた国士舘戦でも、
その勢いは止まりません。
この試合では、副将のハンガル・オドバートル君が
国士舘のエース格の2人を抜く大活躍を見せたのでした。

この日体荏原の勢いは、
前日の個人戦(81㎏級優勝)で疲労の残る
大将の藤原崇太郎君を、
できるだけ楽させてやろうと
チーム全員が一丸となったことで
生まれたのではないかと思います。
そして、その仲間の熱い気持ちに応えたのが、
キャプテンであり、大黒柱の藤原君でした。

高校選手権2連覇、インターハイ優勝の
藤原君ですが、体重は81㎏級。
決勝の相手、国士舘の飯田健太郎君は、
100kg級のインターハイチャンピオンで、
超高校級と言われる最強豪選手。
過去の対戦では、2回続けて負けていました。

でも、仲間が頑張り、決勝まで1試合もせずに
“温存”されていた藤原君は、
「ここで俺が勝たなきゃ、なんのためのキャプテンだ!」と奮起。
難攻不落の飯田君から、執念の背負い投げで「有効」を奪い、
勝利したのでした。

新しい歴史の1ページは、まさに“仲間との絆”で
生まれたと言っていいと思います。

国士舘の無念と日体荏原の歓喜。
勝負の難しさと面白さ、
あきらめない気持ちの大切さ、仲間との絆、 
いろいろなものを感じた今年の高校選手権でした。

柔道ライター 兼 ひのまるキッズ事務局 林 毅