土曜日は、東京学生柔道体重別大会で日本武道館に行きました。
もちろん、母校後輩の応援です。
結果は・・・。
正直、私的には残念な気持ちの試合が多かったのですが、悔しいのは実際、戦った当の本人たち。普段、『柔道は盡己。己をどれだけ盡(尽)くせたかを自分自身で判断すればよい』と言っている気持ちに変わりはありません。
私自身、この大会に参加したのが2回。
それも2回とも初戦敗退でした。
1回目は3年生になってやっと出場したものの、日大の1年生に10秒で投げられて一本負け。その時は一番最初に飛び込んだ武道館天井の日の丸の旗がみるみる涙で滲んでしまい、その時の1年生がのちに世界選手権2位となるのですが、当時は選んでくださったコーチに申し訳ないという気持ちで凹みに凹みました。
ただ、そのあと、いただいたチャンスをただひたすらにクリアすることのみに専念し、人生のすべてをかけて挑戦した結果、1年後の団体戦のレギュラーになることができたのは、これまでもお話させていただいた通り。まさに、この一本負けが無かったら、目標に向かって必ずやり切るという意思を保つことはできませんでした。
事あるごとにこのことが自分の人生を変えたと話していますが、実は、2回目の初戦敗退が私の『不屈の心』を持ち続けようと決心する機会を与えてくれたという点では、より大きなものだったと思います。
その2回目。前年の全日本チャンピオンに内またにいったところ、頭から突っ込んだとして反則負け。
実は、組み合わせが決まった段階では、過去に一度月次試合で対戦した時の手ごたえから、ひとあわ吹かせる自信はありました。
ところが、試合の1週間前にやくざに絡まれ(もう時効なので・・)やっつけたときに左の人差し指を骨折し、実際に本番で組み合ったら、思うように組めず、正直、焦ってかけた一発が引手も甘く、頭から突っ込んだ(ように)見えた結果の反則負けでした。
周りにも「あれは反則取られるのはおかしいけど、相手はあいつだからね。仕方がないよ」と言われ、自分自身もその1年前とは全く違って「あ~あ、負けちゃった」と悔しい気持ちはありませんでした。
その時です。
「あれは、なんや! 反則じゃないよ。なんで、抗議せいへんかった!お前、こんな結果でいいんか!!!」
と普段冷静な態度とは一変して迫ってくる男がいました。
あれ、俺はなんてことをしてしまったのだろう。俺の学生最後の試合をこんなんで終わらせてしまった。今、目の前にそれを真剣に怒っている親友がいる。俺はこいつと過ごした4年間の努力に対しても裏切ってしまった。なんてことをしてしまったんだ・・。
後悔先に立たず
それから、その親友はその年の学生チャンピオンまで上り詰め、約束をきっちり果たしました。
その時の姿を見たときに、
これから俺は絶対に諦めない。こいつの期待を、約束を裏切らない。こいつとどこまでも対等に、肩を組み合うことができる男になる。と決めたんです・・。
私にとって東京学生は『いまから、ここから、という不屈の心」を持ち続けるきっかけとなった大会だったなぁ・・・。
と、それから35年も経った日本武道館でその男と並んで後輩を応援しながら思っていました。
そして、その男には、身体が動く限り、ひのまるキッズの講師として同じ時を共有していただきたい思っています(本人には言いませんがね(笑))
いまから、ここから! 死ぬときに「おい、人生、やり切ったな!」ってお互いに称えあえるように、まだまだ己を盡します!
永瀬義規