粛々と九州大会11年の軌跡原稿を書いている週末。
第2回大会を振り返り、それまで忘れていたことが鮮明に思い出されました。
この年、2010年4月末に国内初の豚の感染が発表されて、5月中旬に緊急事態宣言が宮崎県で発令された『口蹄疫問題』(冒頭写真は当時の東国原宮崎県知事)
8月末に終息宣言が発表される間に宮崎県内の家畜の2割以上に及ぶ約29万頭の牛や豚が殺処分を受け、緊急事態宣言の影響で宮崎県経済に甚大な影響を与えました。
我々としても果たしてこんな状況で大会を開催しても良いものか、県柔連を初めとする関係者と幾度となく協議を交わしました。そして、『がんばろう宮崎!』のスローガンのもと、予定通りの開催が決定したのです。
あ~、そう言えばあの時も今と同じようなことが起こっていたんだな・・・。
おもむろに大会パンフレットをひらくと、そこに記載されていたのが、『がんばろう 宮崎!』と題した関係者のメッセージでした。
そして、
そこにあった、今は亡き岩田勝彦理事長のコメントに目が釘付けになりました。
宮崎県は、今年、これまで日本国内では例を見ない大規模な口蹄疫感染により畜産農家の皆さんはもちろんのこと、県内のあらゆる職業の方々においても長期間にわたり大きな被害を受けました。
この間、全国各地の多くの方々から感染拡大防止と早期終息、一日も早い復興を願う言葉、いろいろな形でのご支援、ご協力が寄せられました。
私達、スポーツ関係団体も何か「力」になる事はないかと考え、指導者、競技者も理解をしてもらい、練習や各種大会、行事等を自粛あるいは中止する事で感染の終息宣言の日を待ちました。
この事は、苦難や困難の状態にある人の立場になって考えてみる、そこに思いを寄せて「精力善用」の理念で行動を起こすということでもありました。
さらに広くとらえれば、社会や人生において困難や予想だにしないことに遭遇しても「自他共栄」の精神のもと、忍耐強くこれに立ち向かい、克服していく勇気と態度を養うことの大切さを認識する機会であったと思います。
そして、今、これらを実感するような数々の温かいご支援や助成の手がスポーツの現場にも差し伸べられている現状に深く感謝しながら宮崎県民らしい明るさと元気を取り戻しています。
勝負ごとの現場では「ピンチをチャンスに変える」、「敗戦の中に飛躍(勝利)の芽が育つ」と言われます。胸を張り、目線を上に、がんばろう みやざき!
宮崎県柔道連盟 理事長 岩田勝彦
気が付くとオフィスで一人、なんどもなんども読み返す自分がいました。
きっと、この一年。できないながらも出来ることを一生懸命やっているんだとスタッフに、自分自身に言い聞かせてはいても、どこかで弱気になっている私に、天国の岩田先生が
「永瀬さん!あなたがしっかりしなきゃいかんよ!!」
と今一度導いてくれたんだと思います。
そう、
胸を張って、目線を上に
あえて言います。
気張るだけでなく、がんばれ! がんばろう!!
いまから、ここから! がんばろう、ひのまるキッズ!!
永瀬義規