スポーツが教えてくれること

須藤トークショー
昨晩、作家の須藤靖貴氏の『大関の消えた夏』という小説の
新刊記念トークショーに行ってきました。
須藤氏は、私が某出版社に勤めていたときの同僚で、
25年来の友人です。

須藤氏の作品は、スポーツを題材にした青春ものが多く、
今回の毎日新聞・論説委員の重里徹也氏とのトークショーも、
まずは、「なぜ、人はスポーツに熱狂するのか。
たかがスポーツ、しょせんスポーツなのに…」といった、
とても興味深いテーマで始まりました。
須藤氏と重里氏、それぞれの持論を展開し、
非常に興味深い内容だったのですが、
なかでも、私がなるほどなぁと感じたのが、
「ショートカット」に関してのお話でした。

ショートカットと言っても髪型ではありません。
「近道」や「一連の操作を省略して素早く行えるようにする機能」
という意味でのショートカットです。

論文に、コピペした別の論文の内容を使用していた女性研究者や、
耳が聞こえていないと偽り、他人に作曲をさせていた作曲家の話など、
最近、世間を騒がせているいくつかの出来事は、
いずれも「ショートカット」という楽をしようとしたことで
起きているという例を挙げ、
それはいけないことで、
そんなことをしても自分の実力はつかないよと、
子供の頃から教えるのがスポーツなのだというお話でした。

野球選手にしても、サッカー選手にしても、相撲取りにしても、
一流と呼ばれる選手はみんな、子供の頃から、
地道な反復練習をしてきています。
野球であれば、素振りだったりランニングだったり、
相撲だったら四股だったり。
そこを「ショートカット」した選手は、
うまくなれないですし、勝つこともできないですし、
当然、一流にもなれないのです。

社会に出て通用しない「ショートカット」を
子供の頃から「ダメなこと」としてしっかりと教え、
地道な努力をする大切さを教え込む、
それこそがスポーツの良さである――。
なるほど、いい話だなぁと思ったので紹介させていただきました。

須藤本
須藤靖貴氏の新刊『大関の消えた夏』(PHP研究所)、
須藤氏初のハードボイルドということで、
とても読むのが楽しみですが、
昨日買ったばかりなのでまだ読んでおりません。
この週末にでもゆっくり読ませていただこうと思っております。
皆さんもぜひ。

スポーツひのまるキッズ事務局 林

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