先週のこのブログで、
今年の全日本選手権はおもしろくなりそうだと書きましたが、
いやぁ~、本当に、最高におもしろかった!
優勝候補が5人もいる、まさに“役者揃い”だったこともさることながら、
その役者たち一人ひとりが素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたこと。
さらに、バイプレイヤーと言ったら失礼ですが、
優勝候補以外の選手たちも、最高峰の舞台に相応しい試合を
していたからだと思います。
とりわけ、準々決勝以降の7試合は、
一瞬も目を離すことができない、“手に汗握る”熱戦の連続でした。
原沢久喜選手が平成22年全日本王者の高橋和彦選手を下した内股。
上川大樹選手を開始12秒で葬った七戸龍選手の電光石火の大内刈。
そして、西潟健太選手と石井竜太選手の、ノーガードの打撃戦のような、
迫力ある大技の応酬。
会場のボルテージは、試合が進むにつれてうなぎのぼりで、
準決勝で、原沢選手が昨年の王者・王子谷剛志にリベンジし、
さらに、七戸選手が5戦5敗の天敵、西潟選手に
小外刈で一本勝ちすると、まさに最高潮。
決勝の七戸―原沢戦は、そんな絶頂状態で行なわれ、
「日本一」を決める全日本選手権の決勝に相応しい激闘の末、
22歳の原沢選手が、見事栄冠を勝ち獲りました。
試合後、原沢選手の大学時代の師である金野潤・日大監督は
「高校時代は90kgもないような身体だった原沢が、
ここまで大きくなり(191cm、122㎏)、
全日本選手権で優勝するような選手になるなんて思いもしませんでした。
彼がここまでの選手になれたのは、一日一日の積み重ねです。
バカみたいに、ただひたすら、マジメに積み重ねてきた。
その結果が、今回の優勝です。
彼のひたむきさ、マジメさには、本当に頭が下がります」
そう話すと、感極まって涙を落とした金野監督。
話を聞いていた私も、目頭が熱くなりました。
目頭が熱くなったと言えば、もうひとつ。
小野卓志選手と石井竜太選手の試合です。
今大会の最年長(34歳)として選手宣誓もした小野選手は、
全盛期(2010年頃)には、グランドスラムやグランプリなど、
出る試合すべてに優勝し、一世を風靡した選手ですが、
意外にも今大会が初めての全日本選手権でした。
100kg級に転向し、100㎏近い体重だった小野選手が、
全盛期の94kgまで身体を絞り、トレードマークの
ヒゲをそり、気合い十分で臨んだ初の全日本。
「パパ頑張って!」という娘さんの大きな声援に応え、
体重差約40㎏の石井選手に、果敢に挑んでいった姿は、
本当に感動的でした。
残念ながら、「指導」2差で敗れはしましたが、
ラストの1分の猛攻は、見ていて熱くなりました。
とにもかくにも、最高におもしろかった今年の全日本選手権。
会場には親子連れもたくさん訪れていましたが、
おそらく、子供たちにとっても、大きな刺激になったのではないでしょうか。
選手の皆さん、お疲れ様でした。
そして、素晴らしい大会を、ありがとうございました。
スポーツひのまるキッズ事務局 林 毅
見たかったなぁ〜(≧∇≦)