ひのまるキッズの復興支援プロジェクトのスタートから4年

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このブログでも何度か話していますが、
ひのまるキッズでは、復興支援プロジェクトとして、
東日本大震災の被災地の親子を大会に招待してきており、
4月の関東大会までで、招待した親子は延べ249名になりました。
最初にご招待したのは、震災の年2011年6 月の東北大会でした。
早いもので、あれから4年の月日が経とうとしています。

震災からまだ3カ月しか経っていなかった当時、
被災のひどかった宮城・岩手の海沿いの地域のほとんどの皆さんは、
避難所での生活を余儀なくされていました。
電気、ガス、水道などライフラインが断絶され、
食事は配給されるおにぎりやパンのみ。
被災地は、そんな状況でした。

東北大会の前々日に、宮古入りし、
被災地を目の当たりにしたときは、
言葉を失いました。
道路に打ち上げられた何隻もの大きな船。
ほとんどの家が跡かたもなくなってしまった住宅街。
流されずに残った家も、大きく傾いたり、
中身がくり抜かれ、人が住めるような
状態ではありませんでした。

避難所を訪れ、ご招待する方々とお会いすると、
とりわけ大人の皆さんの疲労は手に取るようでした。
避難所での不便な生活、先の見えない不安、
震災から3カ月経っても変わらない状況に、
そこで生活する誰もが心の中で
悲鳴をあげていたのだと思います。

大会前日の朝、
バスで大会会場である弘前市に移動しました。
子供たちの楽しそうな表情に比べ、
お父さんお母さんの笑顔は、
積み重なった疲労でとても堅いものでした。

しかし、前日練習会に参加し、
子供たちが楽しそうに、思い切り身体を動かす姿を見て、
親御さんたちの表情がみるみる変わっていくのがわかりました。

作りたての温かい食事を食べ、
周りに気兼ねすることなく、家族水入らずの時間を過ごす。
そんな普通のことがとても大切で、
かけがいのない時間なのだということを、
ご招待した皆さんの表情を見て、
改めて痛感したのでした。

大会が終わり、帰りのバスに乗り込むときの親御さんたちの表情は、
宮古でバスに乗り込むときのものとはまったく違い、
輝くような笑顔だったことを、今も思い出します。

今年の東北大会でも、
被災地からのご招待を予定しております。
震災当時と比べれば、復興はかなり進んでいますし、
食事などの日常生活は、ほぼ元に戻っていると思います。
でも、仮設住宅で生活する人もたくさんおり、
まだまだ復興が十分だとは言えません。
メディアでは、震災のあった3月11日の前後だけしか
取り上げられなくなり、震災への意識はどんどん薄れています。
それも当然のことだとは思いますが、
「精力善用」「自他共栄」という「柔道の本質」をテーマとする
スポーツひのまるキッズでは、できる限りのことを
これからも実行していきたいと考えています。

ひのまるキッズ事務局 林

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