こんばんは、ひのまるキッズ事務局の原です。
早いもので10月も来週で最終週となり、11月15日に開催する北信越大会が目の前に迫ってまいりました!!
エントリーしてくださった方たちに参加して良かったと思っていただけるようにしっかりと準備を進めていきたいと思います。
本日のテーマは人の話を聞く力についてです。
私も常々、人の話にはしっかりと耳を傾けるように心がけていますが、どうしても、聞き流してしまったりすることがあります。
ひのまるキッズの五つの心にある、素直な心や感謝の心を持って、人の話を聞けるように精進したいものです。
今回も、松下幸之助さんのお話ですが、本当に素晴らしい話ですので、ぜひ、読んでみてください。
「人の話を聞くことにより、人生の80%は成功する」(デール・カーネギー)
人の話を聞くことほど重要なことはないが、同時に、人の話を聞くことほど忍耐が必要なこともない。
なぜなら、人は、聞くことよりも、話したくて話したくて仕方のない生き物だから。
松下幸之助さんという人は、近現代の日本を代表する経営者だが、けっして独断専行型の天才ではなかった。
常に人に話を聞きながら、人にものを尋ねながら経営を進めていった。
社会のこと、政治のこと、経済のこと、とにかく何でも「君はどう思う?」「この件はどうしたらいいと思う?」と聞いて回る。
そうやって膨大(ぼうだい)な量の情報を手に入れ、それを頭の中で整理しながら決断を下していったわけである。
松下さんは、特に社員の話にも非常に熱心に耳を傾けた。
社長が社員の話に耳を傾けると、双方に二つずつのメリットが生まれる。
社員にとっては、社長が一所懸命に話を聞いてくれれば、まず「やる気が出る」ようになる。
また、社長が喜ぶような情報を持っていこうと「勉強する」ようになる。
社長にとってのメリットの一つ目は「社員から尊敬される」ようになることだ。
社員の話をないがしろにしたり、途中でさえぎったりする社長に、絶対に社員はついてこない。
社員に素直にものを尋ね、意見を求める社長こそが、尊敬され、信頼されるのである。
二つ目は、何よりも自然に「情報が集まってくる」ようになるメリットだ。
松下幸之助さんのところには、日々ひっきりなしにいろいろな人が訪れる。
そいう人たちの話を聞くとき、松下さんは「その話は前に聞いた」とか「それは私の考えていることと同じだ」という応対を、ただの一度もしたことはなかった。
いつもいつも「君はいいこと言うな」「君はなかなか賢いな」というふうに感心しながら聞く。
椅子から身を乗り出し、相手の眼をじっと見ながら真剣に聞くのである。
これにはみんな感激する。
「あの松下幸之助さんが私の話を真剣に聞いてくれた。そして話の内容に感心してくれた」と思うのである。
すると人間とは不思議なもので、何か面白い情報が入るたびに、
「よし、これを松下幸之助さんのところに持っていこう」「この話は松下の大将の耳に入れておこう」
という気になってくる。
結果として、自然と膨大な情報が入ってくることになる。
一日に入れ替わり立ち替わり人が来るわけだから、当然、同じ情報もある。
しかし松下幸之助さんは、すべての話を初めて耳にするような雰囲気で聞く。
それは、たとえ同じ情報であったとしても、話す人によって視点が少しずつ違うからである。
松下さんは、一つの事実についても、さまざまな角度から複数の情報と意見を得て、いつも熱心に聞き比べた。
できるだけ多くの人から情報を手に入れること。
そして、それらをすべて頭に入れた上で判断すること。
これは、いくらテクノロジーが発達した時代になっても、昔と変わらぬ仕事の鉄則であろう。
ある日の午前中、松下さんの執務室で私は、
「なあ江口君、今度、○○ということをやろうと思うんやけど、君はどう思う?」
と尋ねられた。
すばらしいアイデアだと思ったので、私は「それはいいですね」と答えた。
するとその日の午後、松下電器のある役員が松下幸之助さんのところへ来て、
「今度、○○ということをやりたいと思うのですが、いかがでしょう」
とアイデアを提案した。
その○○というアイデアは、午前中に松下さんが私に話してくれたのとほぼ同じものだった。
だから私は、松下さんが「それはわしも考えていた。午前中に江口君に話していたところなんだ」と言うと思った。
しかし、松下さんはそうは答えなかった。
ウンウンと頷くと、
「君のそのアイデアはなかなかいいな。よし、すぐにそれをやろう」
と応じたのである。
これが松下幸之助さんのやり方だった。
自分の立場も、自分の面子もどうでもよかった。
社員にやる気を出させ、生き生きと仕事をさせることが第一義だったのである。
思えば松下幸之助さんは、持ってきた情報そのものを評価するのではなく、持ってきた人の努力や勇気を評価していたのだ。
「よく、わしのところへ話しに来てくれたな」
「その情報を持ってくるためには、大変な勉強が必要だったろうな」
そんな気持ちだったに違いないし、実際、そのように口に出しもした。
松下幸之助さんはけっして「今は忙しいから、後にしてくれ」とは言わなかった。
アポイントメントが入っている場合は別として、よほどのことがない限り、その社員を部屋に入れ、話を最後まで聞いた。
「時間がないから、その辺りでやめてくれ」とも絶対に言わなかった。
これは簡単なようで、実はなかなかできることではない。