先週の土日で行なわれた
全日本選抜体重別終了後に、
リオ五輪の日本代表が決定(男女、最重量級以外)、
翌4月4日(月)に講道館で、
代表選手全員が集合し、記者会見が行なわれました。
ご存知のように、
今回の選抜体重別は、各階級の最有力選手が次々に敗れる、
まさに、波乱の連続でしたが、
決定した日本代表は、いたって順当。
選抜体重別の結果次第と思われた階級以外は、
結果とは関係なく、それまでの実績から代表が選出されました。
今までは「基準があいまい、選考が不透明」と言われてきた代表選出ですが、
今回は、選抜体重別一発で決まるのではなく、国際大会の結果と、
IJFワールドランキング等が考慮され、総合的な判断で決まることが
事前に広く伝えられてきたため、
マスコミ公開で行なわれた最終決定の場での混乱というのは、
表面的にはありませんでした。
しかし、「最終選考会」として行なわれる大会の結果が、
一部の階級においては、実は「最終選考」の意味をなしてない
というのはどうなんだろう? というすっきりしない部分はあります。
前述したように、決定した代表に関しては、
非常に「順当」だと思いますし、現在の代表選考システムが
きちんと機能した結果だと思うので、まったく異論はありません。
現在の日本代表としてもっとも相応しい、ベストな人選だと思います。
ただ、この大会で負けて代表になった選手にとっては、
純粋に喜べない、複雑な心境だと思いますが…。
一部で、負けても代表になることが決まっているのなら、
試合をさせないほうがいいのではないかという声も上がっていますが、
これについては、私も賛成です。
最終選考会の結果・内容によって変わる可能性のある階級以外は、
途中段階の、選考対象となる国際大会などの結果で「内定」を出し、
早めに調整に入らせるというのも、オリンピックに、
最善の状態で臨むために必要なことではないかと思います。
それはそれとして……。
晴れて、翌日に行なわれた代表会見。
12人の代表のうち、選抜体重別で優勝して
代表を勝ち獲ったのは、わずか5人。
そのせいか、笑顔もちょっと控えめだった気がします。
会見の場で井上康生・男子監督は、
「今日、みんなの引き締まった顔をみて『覚悟』を感じた。
代表の自覚と誇り、その覚悟を持ち、全員が金を獲りにいく」と話し、
南條充寿・女子監督は、
「金メダルを獲りにいく集団。これからの4カ月間、
しっかりと準備し、最後は笑顔で『行ってきます』と言える状況を作る」
と決意を口にしてくれました。
両監督が言うように、全員が金メダルの可能性を持った
本当に、素晴らしい日本代表だと思います。
過去、オリンピック4大会で日本代表の、
オリンピックに向けた強化合宿などを取材してきましたが、
それはそれは壮絶なものでした。
井上監督の言った『覚悟』がなければ、
乗り切れるものではありません。
これまで厳しい代表争いを戦い抜いてきた皆さんですが、
おそらく本当に厳しいのはここからです。
私たちは、応援することしかできませんが、
8月6日からのオリンピック本番で、
皆さんがベストを尽くせるよう、
精一杯、応援していきたいと思います。
頑張れ! ボクらの日本代表!
林 毅