熱烈開催中のリオ五輪。日本選手団の活躍に、寝不足でフラフラの人も多いことでしょう(笑)
全ての階級でメダル獲得を果たした日本男子。最終日の原沢選手の決勝戦は非常に残念でしたが、監督の井上康生氏の目に涙を浮かべてインタビューに応えていた姿に、4年間という期間、かかわる全ての人々の努力が実った結果だと感銘し、心から敬意を表します。
我々も、7月末から四国・愛媛の『道場わっしょい!』、群馬の『月刊バスケットボールカップ』、そして、岩手・盛岡での親子夏合宿といつもにも増しての全力疾走で走り抜けました。
そして、この週末、溜まりに溜まったデスクワークを家で、会社でサクサクとこなしていて、もの凄く感動することが起きました。
夏合宿に参加した王子谷選手。一昨年に続き、今年の全日本選手権を制した日本一の柔道家です。
正直、今まで直接話したこともなかったのですが、会って話すととんでもない好青年。昨年の原沢選手、道場わっしょい!に参加してくださった七戸選手と共に、本当に将来の日本重量級は将来が楽しみと、一人ほくそ笑んでいました。
その、王子谷選手が、合宿参加者に自分自身の人生のあるシーンをお話くださった時、実は私との接点が浮きぼりになり、今から10年前の時の思い出が鮮明に思い出されました。
今から、10年前。第19回近代柔道杯・・・。
彼のチーム・東海大相模中は、準決勝まで進出したものの、なんと4-0の大敗に屈したのでした。相手は優勝した大成中学。その中で、彼は副将戦でものの見事に体落としでぶち投げられ、試合後は周りをはばかることなく大泣きしていたんです。
とにかく、その時の悔しさは一生忘れません。でも、あれが無かったら、監督に「試合で泣くなら、稽古で泣け!」と言われてそれから死に物狂いで稽古したことが無ければ、日本一になることが無かった。夢を叶えることはできなかったんです・・
と語る王子谷選手。
そのスピーチを聞いて、帰宅し、当時の大会が放映されたDVDを見て驚きました。
そこに次から次へと登場する子供たちは今は顔見知りの選手たち。彼らが繰り出すドラマに涙が止まらず、自分たちがやってきた事が、10年後の今、本当に実を結んだと何とも言えない感動に鳥肌が立ちました。
その中で、一番感動したのが、冒頭の写真です。
そう、リオ五輪で見事金メダルを獲得した73㎏級の大野将平選手です。
10年前のここでの彼は、講道学舎で柔道に明け暮れる少年でしたが、かつての古賀や吉田のような注目は受けていませんでした。
そのDVDでの彼は、チームの主将として全身全霊をもってチームの勝利に貢献していました。
残念ながら準々決勝敗退というかつてない屈辱を受け、監督の話を大粒の涙を流しながらも目をそらさず聞いている大野選手。
でも彼はこのとき、別のインタビューで、インタビュアーの古賀稔彦氏にはっきりと『勝利の夢はオリンピックの金メダル』と言い切っていました。そして、その夢は見事に実現するのです・・・。
番組のタイトル
『未来のゴールドメダリストはキミだ!』
やってくれていたんです。10年後に、やってくれたんです!!!
たぶん、このDVDには、今、活躍するたくさんの選手の秘蔵映像があることでしょう。現に、その大会の数年前にはあのリネール選手もフランス代表で出場、活躍しています・・・。
でも、そんなことより、彼らが夢をあきらめずに続け、それを具現化したこと。そのステージを作った一人として心の底から申し上げます。
ありがとう!
いまから、ここから、これからの十年後に向けて己を尽くします!!!
永瀬義規
追伸 冒頭の写真、泣き崩れそうな大野選手を陰でしっかり支えていた先輩の姿が亡霊のように(失礼)写っています。
そうです。 海老沼選手です(彼もメダルの色は違いましたが、我々に最高の感動を与えてくれました)。これも感動ですね。絆です。