『今までオリンピックだの、世界選手権だの切り盛りして、20代からベンツしか乗ったことのないこの男が、深夜バスに乗って、K自動車をレンタルして、三万、五万の協賛を地べた這いつくばって、泥をなめるようにして地方を回っている。
そうやって、毎回、毎回、本当にぎりぎりで開催している。残念ながら、今の全柔連でここまでのことはできない。
だから、この大会を、この男を、永瀬をどうか皆さんも応援してほしい・・・。』
今年の2月、全柔連の問題がいよいよ加熱しだした頃、ひのまるキッズ近畿大会の会場で、インタビューを受けた全柔連強化幹部が最後に記者に語ったこの言葉に、正直、涙が止まらなかった(もちろん、ベンツの話は大袈裟ですが…(笑))
『永瀬さんは、なぜそんなに地方営業にこだわるのですか? 正直、そこまでのバイタリティーで同じような時間を費やして東京を回れば、倍、いや円が一ケタ違う協賛金が集まるのではないですか?』
最近、公私ともに言われるこの言葉に、ある確信をもってこう答える。
『確かにそうかもしれないけど、東京の人間が東京のお金でひのまるキッズを開催して、その開催地区の人たちは本当に自分たちの大会と第一人称で考えられるとは到底思えない。ひのまるキッズは三角形の頂点を目指す競技強化の大会ではない。柔道なら、道場の、家族の、そして親子の絆を深めるイベントなんです。内容も地方自治体を巻き込んで、様々な催し物をチャレンジしてもらう。強い選手だけではなく、いや、むしろ負けてから楽しめるように、連盟と一緒になって子どもたちを盛り上げるんです。
その基盤となる運営資金も絶対に地元の企業から出なければならないと思うんです。自分たちのために出したお金は絶対に続きます。我が町、我が村のために開催した企画には例え市長が変わっても、自治体は続けてくれます。だから、まずはこの情熱を言い出しっぺの私が直接ぶつけなければならないのです』
人によっては、
そんなことを言っても、資金がなければどうしようもないじゃないか。
財産をすべてこんなことになげうって、意地になっているだけじゃないの??
と言われます。
でも、今回の四国、北信越、中国に至っては、行くところ、行くところ、すべてにおいてご協力をいただけるようになり、また、なによりうれしいことに、各開催地ごとに応援団もできて、イベントやアトラクションに関しても充実しつつあります。
信念を持って己を尽くす。
フェイスブックでもたびたび(というか毎回しつこく(笑))書いていますが、絶対に世の中に『いい事をやっていれば、必ず成功する』ということを、残ったスタッフと一緒に具現化していきたいと思います。
いまから、ここから、地べた這いつくばって、泥をなめても…です!!
永瀬 義規