目頭が熱くなった全日本学生体重別団体優勝大会の決勝

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11月2日(土)、3日(日)、
尼崎のベイコム総合体育館で行われた
全日本学生体重別団体優勝大会の男子決勝は、
本当にドラマティックな結末でした。

安定した強さで勝ち上がった東海大と、
国士舘大、明治大という強豪に競り勝った少数精鋭の筑波大。

前評判では、東海大優位と言われていました。
それもそのはず、東海大のメンバーは、
7人中6人がインターハイチャンピオンで、
60㎏級には、今年の世界選手権で
王者に輝いた高藤直寿選手もおり、
ケガから復帰したキャプテンの羽賀龍之介選手を中心に
まさにスター軍団という顔ぶれ。

一方の筑波大も、主将の西山雄希選手をはじめ、
今年の学生チャンピオン・安昌林選手、そして
インターハイ王者の永瀬貴規選手、田中崇晃選手と
素晴らしいメンバー揃い。
しかし、一つひとつの対戦カードを見比べると
東海大の3連覇が濃厚かなと、そんな下馬評でした。

試合は、五将戦までで予想通り東海大が2-0とリード。
しかし、ここから筑波大が反撃開始。
中堅戦でキャプテンの西山が反則勝ち、
副将戦で永瀬が「技有」優勢勝ちし、
大将戦を前に2-2(内容では東海大)にしたのでした。

盛り上がる筑波大。
しかし、待ち構えているのは世界王者の高藤。
その高藤は開始20秒に、田中の背負投を返して「技有」を奪取。
勝負は十中八九決まったと、誰もが思ったと思います。

しかし、田中はあきらめません。
「失うものはないから思い切って行け」と
送りだされた1年生は、ガムシャラに技を掛け続け、
大外刈で「有効」を奪うと、
この技を受けた際に肩を痛めた高藤をさらに攻め込み、
終了間際に、ついに背負投で「技有」を取り返して逆転に成功。

大歓声に包まれる会場。
わずかな残り時間。
高藤に、「有効」のビハインドを取り返す力は
残っていませんでした。

両手を突き上げる田中と、歓喜の筑波大陣営とは対照的に、
泣き崩れる高藤と、慰める東海大の選手たち。

この勝敗のコントラストこそがドラマであり、
スポーツの最大の魅力なのだと思います。

目頭が熱くなり、しばらく言葉を発することができませんでした。
勝った筑波大も負けた東海大も、選手は本当によく戦ったと思います。
勝った自信を、負けた悔しさを次の試合に生かし、
さらに素晴らしいドラマを見せてほしいと思います。

スポーツひのまるキッズ事務局 林

林さん用

(写真上/筑波大学選手・OBによる歓喜の記念撮影)
(写真下/優勝の瞬間、喜ぶ筑波大の選手たち)(写真提供:eJudo)

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