講道館杯で託児所設置。変わろうとしている柔道界

IMG_8281
少し前のことになりますが、11月8日、9日の両日、講道館杯の仕事で、千葉ポートアリーナに行ってきましたが、そこで感じたことを少し話してみたいと思います。

今年の講道館杯には、スマイルルームという託児スペースが新設されており、大会で審判や役員をされていた女性が、お子様を預けていました。

スポーツひのまるキッズ柔道大会では、2年目から全国各地の大会で託児所を設置し、お子様の試合の際に、選手の弟さんや妹さんを預かっています。これはひのまるキッズで講師をしていただいている山口香先生のご提案を取り入れたものですが、今ではすっかり定着し、多くの方にご利用いただいており、利用されたお母さん方からは「子供の応援に集中できる」と大変好評をいただいております。

講道館杯とスポーツひのまるキッズの託児ルームの用途は多少異なりますが、手のかかる小さなお子さんがいることで、お母さんとして、どうしても制限されてしまうようなことが、周りの配慮で、少しでも緩和されたり、取り除かれたりするのであれば、すごくいいことだと思います。

パワハラ、セクハラ問題で揺れる柔道界ですが、新しく全日本柔道連盟の理事に女性が入り、女性の発想を取り入れることで、競技はもちろん、競技をサポートするシーンでも女性が進出しやすくなり、柔道界は徐々に変わっていくのではないでしょうか。

谷亮子さんのように、「田村で金」「谷で金」、そして「母でも金」とオリンピック3連覇を目指すような、そんな選手は滅多に出てこないでしょうが、出産後も現役を続けたり、出産後に現役復帰したりする選手自体、日本の柔道界ではほとんどいないのが現実です。でも、復帰できるような環境を少しでも整えていくことは大切なことだと思いますし、そんな「世界」や「全日本」といったハイレベルなステージでなくても、町道場や地元の武道館などで、子供と一緒に柔道を楽しむお母さんが増えていくようになれば、柔道界は次のステップに進んでいくと思います。

 柔道は同じレベルの人同士でないと試合や練習ができないと思われがちですが、そんなことはありません。子供から老人まで、男性から女性まで、その人の体力、スタミナに合わせて楽しむことのできる生涯スポーツであり、いくつになっても上達できる競技だと思います。そして、至近距離で組み合う競技だからこそ、相手のことを考え、相手のことを慮りながらするべき競技だと思いますし、そこで人を思いやる気持ちが育つのだと思います。

親子で、兄弟姉妹で、そして夫婦でも楽しめる――。
それができるのが柔道ではないでしょうか。

スポーツひのまるキッズ事務局 林

写真は、スポーツひのまるキッズ小学生柔道大会の託児ルーム

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です