お互いに礼!

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先週の土日、講道館で
「全国体育系学生柔道体重別選手権大会」が行なわれました。
この大会は、体育系の学部、学科などを有する大学の学生の大会で、
初日には、研修会があり、大学生や大学院生の研究(論文)発表が行なわれたり、
青年海外協力隊の紹介や体験談発表、
後援企業によるセミナーなども行なわれたりするほか、
大会自体の運営も主管校が中心になって行なっています。

当然、審判員も大学生や大学院生。
学生とは思えないほど、堂々と、的確な審判を行なっている学生もいれば、
慣れない審判に悪戦苦闘、見ているこちらがドキドキしてしまうような、
危なっかしい学生もいて、厳密に言うと、技の判定や「指導」のタイミングなどに
「?」がつくような場面も、多少見受けられました。
それでも、この大会は、学生にとっての「研修の場」であるということが、
応援の学生や観客、指導者の間にも浸透しているため、
大声を出しての応援やヤジはほとんどありません。
「落ち着いて試合が見られていいね」という声も
あちらこちらから聞こえてきました。

この大会は、同年度の全日本学生体重別選手権大会で
ベスト16以上に入った選手は出場できない
(一部大学は、全日本学生体重別選手権出場者は出場できない)
という規定はありますが、「全国大会」に相応しいレベルの高さで、
出場選手にとっては、「研修」でもなんでもなく、
真剣勝負の「試合」そのものです。
過去には、この大会で結果を出して自信をつけ、
世界の舞台に羽ばたいていった選手も多数います。

さて、その大会の開会式を何気なく見ていて、
「あれ?」と思ったのが、
タイトルにつけた「お互いに礼!」でした。

通常、大会の開会式の最後と言えば、
「一同、姿勢を正して、礼」だと思うのですが、
体育系学生大会の開会式の一番最後の礼は
「お互いに礼」だったのです。

皆さんも、普段の稽古では、おそらく、
正座し、姿勢をただし、
「神前(あるいは正面)に礼、先生に礼、お互いに礼」と、
練習前、練習後に行なっているのではないかと思います。

この体育系学生柔道大会は、単なる大会ではなく、
あくまで学生にとっての稽古の場、研修の場なのである
ということが、この何気ない「お互いに礼」の挨拶から感じとれて、
ささいなことかもしれませんが、
「なるほど」と妙に納得したのでした。

一緒に稽古してくれる相手を敬い、感謝する気持ちを持つ。
それは、普段の練習でも、試合でも同じ。
日常生活においても、「お互いに礼」の気持ちを持ち続けたいと
そんなことを感じたのでした。

ひのまるキッズ事務局 林 毅

(写真は、体育系学生大会で主審を務める日大のレイズ・カヨル選手。なかなか素晴らしい審判をされていました)

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