ひのまるキッズ柔道

道場訪問記 第3回 春日柔道クラブ

第8回 春日柔道クラブ
提供◎講道館

第8回 春日柔道クラブ
提供◎講道館

2019年11月11日訪問

今回は2016年リオデジャネイロ五輪で金メダルに輝いたベイカー茉秋選手、2020年東京五輪代表のウルフアロン選手、その他にも世界レベルで戦う選手を数多く育て上げ、私・リョウも長年通わせていただいた春日柔道クラブに、ダイチとリョウの二人で行ってきました!

スポーツひのまるキッズ柔道大会では関東大会はもちろんのこと、全国7か所の大会に、必ずと言っていいほど選手が参加し、大会を盛り上げてくれている春日柔道クラブ。

さらにはひのまるキッズで一番重視している賞「マナー賞」を3度も受賞されています。

全国少年柔道大会では2度の優勝経験があり、また、その他の全国大会でも個人戦、団体戦で優勝経験があります。毎年全国大会で活躍している春日柔道クラブの強さ、マナーの良さの秘訣を探りました!

文◎花川了 写真◎吉原大智

 

第一印象は礼儀の素晴らしさ。その訳とは!?




春日駅から徒歩1分、柔道の総本山、講道館で16時からの練習に参加させていただきました。

420畳の7階大道場にはすでに子供たちが20名ほどおり、全員がこちらをむいて「こんにちは!」と元気いっぱいの挨拶。春日柔道クラブは近くから通っている子もいれば、他県から小学校が終わり次第、電車に乗って練習に向かう子も少なくないため16時半頃から人数が増え始めます。

途中から続々と来た子供たちも、たくさんいる指導者の先生一人ひとりに、丁寧に挨拶をし、取材に来た私たちにもしっかりと礼をしてくれ、第一印象は、礼儀正しい子ばかりだということでした。

私自身も春日柔道クラブに通っていた時には先生方から「挨拶、礼儀の大切さ」を毎日のように教えていただきましたから、いま通っている子供たちも、強くなることよりも礼儀が大切だということをしっかりと理解しているようです。

子供の頃に教わった礼儀作法は、私の記憶にも残っているように、幼少の頃の教育が大切だと思います。柔道を教わるだけでなく、人間教育までしていただいていたのだと、改めて感謝の気持ちが沸き上がってきました。

打ち込みが始まるとみんなの顔が一転!?誰とやる時も真剣勝負!











練習内容は体操の前に先生も一緒に鬼ごっこ、体操が終わった後は、5人ずつに分かれみっちりと補強練習、私も久しぶりに挑戦しましたが、すぐにヘトヘト。余裕の笑顔を見せる元気な子供たちの様子を見て運動不足を実感したのでした。

しかし、打ち込みが始まると笑顔だった子供たちの顔は真剣モードになり、そこからはただひたむきに稽古に取り組み、メリハリのある練習で、顔を真っ赤にしながら稽古に励んでいました。その横では、初心者クラスも行なわれており、専属の先生が礼儀や受け身を丁寧に教えていました。

少年部指導責任者の向井先生にお話をお聞きすると、現在春日柔道クラブに通っている子どもの人数は週に1回通っている子や他道場から通ってくる子も含めるとなんと300人ほどいるそうです。それに対して、指導者の先生の数は5人と決して多くはありませんが、先生たちが一人ひとりに気を配り、門下生の名前をしっかりと覚え、名前で呼んでいることには驚きました。

18時までの練習が終わり、低学年の生徒たちはそのまま帰りますが、高学年の生徒で、もっと練習がしたいという子は自主参加で居残り練習もできます。大道場から1階下の道場に移動し、文京第一中学校のみんなと一緒に行ないます。



子供たちにあった柔道、そして、正しく組んで『一本』をとる柔道を


提供◎講道館


提供◎講道館

ところで皆さん、講道館では相手と礼をする時は立ち技、寝技、乱取りに関係なく座礼ということをご存じでしょうか。

柔道は「礼に始まり礼に終わる」という言葉がありますが、なぜ座礼?と思う方も多いと思います。実は、私も子供の頃からずっと疑問でした。そこで、この機会に向井先生に聞いてみました。

「柔道は殺し合いではありません。いきなり組み合うのではなく、一度座り、お互いに精神統一をし、これから相手と対戦するにあたって戦う相手に感謝をする、そして、心を落ち着かせる時間でもあるのです」ということでした。何ごとにも意味があるんですね。

最後に、向井先生に指導の際、心掛けていることを尋ねてみました。

「私は特別なことはしていません。まずは子供たちに柔道の楽しさを知ってもらうことが一番だと考えています。そして私がこれまでにやってきた柔道スタイルを教えるのではなく、子供たち一人ひとりにあった柔道を見つけるお手伝いをしているだけです。とくに講道館は勝利至上主義の競技柔道ではなく、正しく組んで『一本』を取る柔道を目指しています」と答えてくれました。

ぜひ、他道場に所属している皆様も練習に一度参加してみてはいかがでしょうか。講道館の練習は、基本的には誰でも参加が可能です。現役で活躍している、オリンピックや世界選手権の日本代表選手による講習会もある夏期講習や寒稽古など、さまざまなイベントもありますので、気になった方はまずは講道館ホームページをご覧ください。


道場の名称 春日柔道クラブ
稽古場所 東京都文京区春日1丁目16-30
最寄駅

大江戸線、三田線「春日駅」徒歩1分
丸の内線「後楽園駅」徒歩3分

指導員 少年指導責任者 向井 幹博先生 他
練習日 毎週月、火、水、木、金、土曜日
月謝 5,000円
講道館URL http://kodokanjudoinstitute.org/