ひのまるキッズ 野球・その他

第11回ジュニアサッカーフェスティバル2008 in 昭和村 大会レポート

ジュニアサッカーフェスティバル実行委員長 品村敏明氏インタビュー

■大会を総括していかがでしたか?
いい子どもたちがいっぱいいて良かったですね。将来かなり期待できるんじゃないかなと思っています。


■選抜された15人がオランダにいきますが、学んできて欲しいことはありますか?
具体的なことはあまりないんですよ。
それよりもサッカーの本場の雰囲気だけでも感じてくれればいいかなと。
それでプロの試合を見て、自分たちの目指すところはここなんだという目標設定をしてもらえたらなと思っています。


■今回出場した子どもたちに、これからサッカーを通じて学んで欲しいことや意識してもらいたいことなど、メッセージはありますか?
スポーツって本来遊びだと思うんです。
サッカーって豊かな発想で自由にいろんなことを考えてやるスポーツなんです。
遊びだから楽しくサッカーをするというのが原点ですよね。日本ではそうでない傾向があって、指導者の思惑で指導者のための少年サッカーがあってはダメなんですね。
子どものための子どものサッカーでなくてはならない。
子どものときには、子どものサッカーをきっちりとやることが、将来大人のサッカーをうまくさせるための唯一の方法だと思います。子どものときから大人のサッカーをさせたりする人もいますけど、それは大間違いじゃないかな。

遊びの中で生きる術を学んでいくのが子どもですよね。サッカーも一緒ですよ。子どもの時は遊びのサッカーを通してサッカーの本質を身につけていくことがすごく大事ですね。

やっぱり遊びがサッカーの原点だね。だから大人が、特にあまり知識も経験もない人たちが、子どものサッカーをいじったり、無理やり大人の発想で大人のサッカーを押しつけてしまうとうまくいかないですよね。もっと楽しくやってもらえばいいと思います。

だから、この大会の趣旨は、勝負にあまりこだわらないことなんです。
個々の選手の能力にあわせて楽しんでやってもらうことが目的です。

だから上手い子がいてもいいし下手な子がいてもいい。それぞれのレベルで楽しくサッカーをやることがすごく大事で基本的なことだと思います。


■今回出場した多くのチームにも様々な指導者がいらっしゃると思いますが、指導者の方々へのメッセージをいただけますか?
サッカーの基本というのは技術です。つまりボールコントロールですね。特に日本人は身体もあまり大きくないし、欧米人に比べて運動能力もそんなに高くないですからね。 それで同じサッカーをやるわけですから、やっぱりボールコントロールがきっちりできることが重要ですよ。

それからもうひとつ大切なことは、豊かな発想、アイデアですね。それはどうやって育てるかというと、遊びの中から色んなアイデアがでてきて、自由な発想の中からいいテクニックが育ってくる。それがすごく大事ですよ。

子どもに強制してサッカーをやらせるんじゃなくてね。子どもがもっとサッカーをやりたいというところで、大人があれこれ手を出さずにちょっと引いて見ていたりすると、子どもは勝手に継続してサッカーをやるようになりますよ。過ぎたるは及ばざるがごとし、やり過ぎはよくないですよね。でも、遊びっていうのは子どもにとってやり過ぎにならないでしょ。

トレーニングになるとやり過ぎになるケースが多いですよね。だからやっぱり原点は遊びでしょうね。遊びでサッカーをすることがすごく大事。

それを指導者の皆さんにも考えてもらえたらと思います。日本の子どもってすごく優秀でオランダに行っても決してひけをとらないんですよ。唯一差があるとすれば体力差くらい。それはこれから克服していけばいい。いまの日本のサッカーは子どもたちがよく頑張っていますが、 10年後には本当によくなる。

今12歳だけど、22歳になりますよね。だから、この年代できちんとやっていれば大人になって面白いサッカーができるようになるんです。


■ありがとうございました。

高学年の部・優勝 UスポーツクラブS(山梨県)清水純也監督インタビュー

■優勝おめでとうございます。
大会前に子どもたちに意識してもらいたかったことはありますか?
そうですね。私たちは全日本少年サッカー大会にも出場するんですよ。

ここに来る前にも一つ大会に参加して来ましたが、普段とやることは変わらないので、その全日本に向けていい勢いがつけられたと思います。
※全日本少年サッカー大会は8月2日~9日に開催され、Uスポーツクラブは子どもたちには、攻守に渡っての1対1の局面やチームとしての連動性をもった攻撃・守備といったところを強く意識して試合に臨むように伝えていました。とにかくチームとのバランスをよく考えてと、 8人制でも11人制でも同じサッカーでやることは変わらないんで。将来かなり期待できるんじゃないかなと思っています。


■どういうチームを作りたいとお考えですか?
やっぱり見て感じて行動できるチームですね。判断力を養うために、見ること。その中で何を感じて何を選択するか、という判断につなげる。チームとしてはそういうことを重視してやっています。


■チームからはオランダ遠征メンバーにも何名か選ばれていますが、どういったことを学んできて欲しいですか?
試合に出るとか勝つというよりは、違う国の違ったサッカーの文化に触れたり、せっかく15人のメンバーがいるんで、他のチームの子たちとのコミュニケーションを深めたりということですね。向こうでゲームをするということも大事ですが、やっぱり人間形成というかサッカー以外のことも色々学んできてほしいですね。


■チームのことを教えてください。
はい、発足は1989年です。下は園児から上は中学生まで、全部で190名くらいいます。全日本少年は二年連続出場で、昨年はベスト16でした。 8人制も今回が2回目です。去年は、2チームエントリーして 2チームともベスト8でした。オランダ遠征にも4名選ばれましたよ。
今年もなんとか選んでいただけて嬉しいですね。去年オランダ遠征に行った子は、オランダの子どものスピードや身体能力を肌で感じて帰ってきましたね。

去年の遠征のビデオを見たんですが、技術的には彼らと遜色はないと思いますが、身体の差でとめられたりというシーンが目立ちました。

でも一番大きく成長してくれたことは、向こうでトップの試合を見たり様々なチームの選手と触れ合ったりして、人間的に大きく幅が広くなった気がします。行く前に比べて他の選手に対して優しくなりましたし、チームに対しての影響力を持たなきゃという責任感が芽生えるということが見受けられました。

今年オランダに行く子たちにも、ただ行くだけじゃなくて、チームの代表として行くわけだから、戻ってきたら自分たちがチームにいい影響を与えなきゃいけないという意識で行って欲しいですね。

低学年の部・優勝 FELICEコーチ 呂比須ワグナー氏(元日本代表)インタビュー

■FELICEのコーチとして、大会を終えての感想は?
FELICEは毎年ブラジルに遠征で来てくれていて、その時は監督として指導させてもらっているんですよ。
今回は日本でFELICEのコーチとしてこんなに大きい大会に参加させてもらえて、非常にうれしかったですね。子どもたちも一生懸命やってくれましたし。機会があればまたぜひやりたいですね。


■今回FELICEからもオランダ遠征のメンバーが選ばれていますが、海外遠征でどんなことを学んできてほしいと思いますか?
FELICEから選ばれた選手は、ものすごく頑張り屋。
どこからでも打つフォワードで、ディフェンスもしっかりできる選手です。シュートを打つという意識をもっともっと強く持って、チャンスがあれば思いっきり打つ、そういうことをもっと学んでほしいですね。


■日本のサッカーをやっている子どもたちへメッセージをお願いします。
ボールをさわる時間が少ないとしても、公園や自分の部屋なんかで少しでも多く練習してコーチや監督、お父さんやお母さんの言うことをよく聞いて頑張ってください。

僕も指導者としてこれから日本のサッカーのレベルアップのために頑張っていきますから、皆さんも一緒に頑張りましょう。